2011年8月29日月曜日

陰嚢湿疹の話

概要 長い間、陰嚢湿疹に悩み皮膚科に通っていましたが、交感神経のα受容体をブロックするハルナールという薬で治療がうまくいったのでその経緯を紹介します。

陰嚢湿疹は、まだ原因がよくわかっていない病気です。また恥ずかしい部位なのでなかなか人前でこの話をできません。とくに若い人は悩んでいるだろうと思います。悩んでいる人のために私の情報を公開します。

症状を軽く考える
私の場合、最初は単なるかぶれだろうと、オロナインやムヒを塗っていましたが悪くなることはあってもよくなることはありませんでした。それ以外に対処法もないまましばらく放置していました。

強い痒み
皮膚の状態はだんだん悪化して、痒みもひどくなってきました。陰嚢湿疹の一番の困った症状はこの痒みです。初めのうちは寝る前にかゆくなる程度でしたが、夜中にかきむしるようになり、昼間も我慢できない痒みが襲ってくるようになりました。さすがに人前でぼりぼりできないのですが、我慢できる痒みではないのでトイレに駆け込んで狂ったようにかきむしるところまできて、どうしても医者に行かなければと感じました。

ここで私の症状は、陰嚢だけでなく、股、足首などいろいろな場所がむずがゆくなっています。ばりばりかいてしまうと出血して状態がひどくなるので、刺激のある下着は避けています。しかし股間のかゆさは我慢の限界を超えているので、かきむしり、じゅくじゅくした状態になり、治りかけた皮膚特有のにおいがします。

皮膚科で治療
最初は、やはり近所の皮膚科に行きました。ここで医者の前で局部を見せるのですが最初なので「本当に見せる必要があるの?」と恥ずかしさでいっぱいです。この日はあまりのかゆさにポリベビーを塗りまくっていたのですが、医者に「塗り薬は落としてからきてください」と言われました。医者の立場になると当然ですが、患者の立場から「じゃあこのかゆさをどうすればいいんだ!」と内心医者に怒りがわきました。

医者は皮膚の一部をとり顕微鏡で菌の有無を確認し、菌が原因ではないということで塗り薬を処方してくれました。しばらく通っているうちに涼しい季節になり、なんとなく治っていきました。ここで菌が見つからなかったというところが大事なところで、その有無によって薬や治療法が違います。

医者のアドバイス
医者は、「かきむしらないこと」「刺激を避けること」「おしっこの残りをのこさないこと」をアドバイスしてくれました。かきむしらない方法を聞いたところ、「蒸れた状態にしない」とのことでしたが、それは簡単ではありません。夏なので風通しのいいぶかぶかした短パンをはいてみましたが、それでも熱がこもります。刺激を避けるためなるべくゆるいゴムの靴下や下着を選びました。おしっこはよく振るようにしました。これは残尿が陰嚢湿疹の原因であるという説があるためにこういうアドバイスになったのだと思います。ほかにも陰嚢の裏に水滴が残りやすくそこに石鹸が付着するのが原因という説もあります。ところがこういうことに気をつけても大して変化はありません。

繰り返す症状
約一年、完治しないまでも生活に問題が出ないレベルまで症状が落ち着いているので、安心して生活していましたが、寒い季節が去ったとたん悪化が始まりました。皮膚科も面倒でほったらかしにしていたところ、また最悪の状態に戻ってしまいました。この時期に2chの陰嚢湿疹で悩んでいる話を読み、誰もが同じなんだと安心した記憶があります。症状など自分とまったく同じなので、「効く」「効いた」と書いてある薬はひととおり試してみました。というより藁をもすがる気持ちでした。

薬で悪化
ポリベビー、これは皮膚が乾燥するので治った気分なのですが皮膚がぽろぽろになって同じことが繰り返されます。皮膚がむけて白い粉になるので、いかにも皮膚病っぽい感じです。
ムヒ、陰嚢の皮膚は薄いのでこの薬はきつすぎるようです。真っ赤にはれてしまいました。
ラナケイン、陰嚢の皮膚は薄いのでこの薬はきつすぎるようです。真っ赤にはれてしまいました。
フェミニーナ軟膏、女性用で購入が恥ずかしいのですが、効くというので使ってみました。でもよくなりません。
ほかにもいろいろ塗りましたが、表面麻酔剤含有の塗り薬を使っても痒みがとまらないので、結局かきむしり、悪化します。この痒みは、皮膚からきているものではないのではないかと感じ始めました。また痒みさえなければ自然治癒するのではないかと思いました。

かかないためにどうするか
かいたら悪化するとわかっていても我慢できずかいてしまうので、いろいろな対策をしました。

まず表面麻酔剤系の薬ですが、皮膚に何を塗っても痒みはかわりません。ただ、ワセリン系の塗り薬は爪がすべってかきむしりの傷がひどくなるのを若干抑えます。

皮膚をつねる方法は、傷ができないのがいいです。どうしてもかきむしりたい状態になったら、つねるようにしていました。これも習慣性が出て強い快感を感じるようになるのですが、かきむしるよりはましです。

保冷剤で冷やす方法は、なかなかいいです。かかずにすむし、赤く腫れていた場合それも弱くなります。あまり効くので使いすぎて陰嚢が凍ってしまうのではないかとちょっと怖いです。問題は多量の保冷剤が要ることです。体温で保冷剤がすぐに温まってしまいます。

最終的に落ち着いたのが、冷水シャワーを陰嚢にかける方法です。かゆくなると夜中に何度も起きてシャワーをかけるのですが、一時的にかゆみが引くものの、すぐにぶり返すときもあり、眠い中、悲しくなるときがあります。
ちなみに、最初は陰嚢に冷たい水をかけるのが怖くてできませんでしたが、すぐに慣れました。陰嚢だけでなく太ももや足首、足の裏など足全体に冷水をかけると一時的にせよ、かゆみをごまかすことができるようです。

かいてしまうので
そこまでしてもかいてしまう時はあります。そのため、爪を極端に短く、先をやすりで丸くして、たとえかいても皮膚に傷ができないようにしました。これで皮膚表面の傷がなくなり、じゅくじゅくした状態にならなくなりました。

強い痛み
連日の皮膚の傷が元で抵抗力が落ちていたのだと思いますが、ある日、どうにも股間が痛くなり、近くの総合病院へ駆け込みました。泌尿器科に行き、使っている塗り薬の説明をしました。軽く赤く腫れていた陰嚢を見て、「これは薬でかぶれているだけだから、皮膚科に行きなさい」と別の科にまわされました。皮膚科では、「おかしいねえ、痛い場所が睾丸じゃないから泌尿器科だと思うけど、、、」となんとも踏ん切りの悪い説明で「じゃあ塗り薬出しておきますから」と、痛みの治療にならないような方法を提示されました。これでは解決にならないと思ったので、拒否したところ、もぐもぐ行っていましたが結局外科に回されることになりました。本当は泌尿器科に戻したかったのだと思います。

外科では、どこかの管が腫れているからと炎症止めを処方されました。その薬で一日我慢していたのですが、夜になって我慢できず、遠くの大型病院の夜間診療に行きました。そこでは結局腫れているからと抗生物質を処方されました。その薬は若干効いて楽になりました。痛みの原因は精巣から精嚢へ向かう管を覆っている筋肉の部分か、管そのものが腫れているとのこと。今考えると、かきむしっているときに相当強い力がかかっているのと、かきむしりの傷跡から何かに感染していたのが原因だと思います。

行くべき病院とは
陰嚢湿疹は、格とした治療法がないことと、皮膚科と泌尿器科の中間領域なので、大きな病院では扱いきれていないなあと感じました。むしろ個人病院で皮膚科と泌尿器科を標榜しているところのほうが適していると思いました。よい治療法がないので、昔の治療法を続けている医者よりも、先生が若い方がよいと思います。患者は、この医者はだめだと思うと医者を変えます。しかし、医者は患者が来なくなったので治療が効いたと考えます。陰嚢湿疹にチューブ入りステロイドの塗り薬を処方するだけの医者ではたぶん治療は望めません。
しかし、初期の段階でステロイドを塗り、皮膚の表面が速やかに治って痒みがおさまってしまえば、それはいい治療法だと思います。

インターネットの情報
藁をもすがる気持ちでインターネットで情報を検索すると、高橋クリニック院長のブログに行き当たりました。
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/urology/
このページです。「陰嚢のかゆみ」 陰嚢掻痒症と排尿障害
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/urology/2006/05/post_6180.html
症状がどんぴしゃです。要約すると、陰嚢の痒みは膀胱出口の痛みによる関連痛だと言う説です。なかなか説得力があります。現在、弱い痛み=痒みというのは必ずしもいえないようですが、患者として体内部のトラブルが陰嚢に現れている実感があります。もしこの医者が近所だったらすぐに駆け込むところです。近くで探しましたが泌尿器専門という医者は見つかりませんでした。

ハルナール
このブログにある、ハルナールは、交感神経のα受容体をブロックして前立腺の収縮を弱めるという薬というです。なんとしてもこの薬を試して見なければと思いました。そこで近くの泌尿器科へ行き、「夜中に何度もトイレに起きる」と排尿障害の症状を訴えました。実際にその症状があるので簡単でした。年齢が若いということで医者は違う薬を処方しようとしましたので、こちらからハルナールを希望して処方してもらいました。α受容体をブロックが効く理由なのではと思ったからです。医者は「前立腺を治す薬だけど」と言っていました。

痒みに即効性があると思っていましたが、すぐには効かず、4日位してからなんとなく調子がよくなり始めました。この薬が痒みを発生させている神経に直接効いている可能性もあると思います。高橋クリニックのブログのとおり排尿のシグナルがなくなったおかげで関連痛である陰嚢の痒みもなくなったということかもしれません。

本当にハルナールが効いたのか?
私の場合、1ヶ月ほどアレグラを飲んでいました。効いている感じはありませんでした。その後チョコラBB系のビタミン剤を飲んでいました。これはちょっとは効果あるかなあという感じです。そしてハルナールを飲んだのですが、前出のとおり4日くらいで痒みがおさまりました。しかし、ハルナールに大きな期待をしていたのでプラセボ効果があったかもしれません。同時に塗り薬を処方されていたのでかゆい所に塗っています。そのため100%ハルナールが効いたと断言はできません。しかし、夜間の尿意が減ったこと、そのため睡眠が十分取れるようになったので薬の作用があることははっきりしています。(副作用で便秘気味の感じです)少なくともアレグラ、ビタミン剤よりも効果はありそうです。

ハルナールが効く条件
菌による痒みではないこと。陰嚢だけでなく、陰嚢から肛門にかけてもかゆいこと(場合によっては足の一部もかゆい)。頻尿があること。一回の尿の量が少ない、または尿に勢いがないこと。など前立腺周辺のトラブルがはっきりしている場合、たぶん効くんじゃないかなあという印象です。いずれ診断装置で診断できるようになるともっとはっきりすると思います。私は自分しか症例がないのですが、もし高橋クリニックなどの熱心な泌尿器科に十分な症例が集まったら治療法も確立し、陰嚢湿疹の治療も簡単になるのではないかと思います。

漢方薬が効く理由
陰嚢湿疹に漢方薬が効くという記事があります。これも漢方薬が皮膚の痒みを押さえるのではなくて排尿障害を治しているのだとしたらありえるのではないかと思います。しかし、確実な診療の後に漢方薬を出すのではないが問題です。

これで終わりではない
ハルナールの効果は、排尿困難の症状を和らげるだけです。治療するわけではありません。そのため、陰嚢湿疹も治療されたわけではなく、一時的に症状が治まっている状態です。完全にかゆみがなくなるわけではなく、かゆみがぶり返すときがあります。そこでかいてしまうともとの木阿弥ですが、いままでの恐ろしいほどの快感が襲ってくるかゆみと比べると我慢できる状態です。ハルナールはずっと飲み続ける必要があります。しばらくすれば、かきむしりが快感となる連鎖が切れて普通になるのではと期待しています。

3 件のコメント:

  1. 私も最近同じような症状が発現し、恥ずかしく病院へ行けませんでしたが、大変参考になりました。64歳男性

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  2. とても興味深い話でした。記事は2011年8月と古いんですね。その後はいかがですか?

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